HOME > 虫歯が中で広がる秘密
虫歯で黒い部分は気がつかないほど小さいのに、治療して削ると中では広く広がっています。
なぜでしょうか?
エナメル質は、カルシウムを主成分とした硬い結晶が積み重なってできています。
細菌の大好物のタンパク質はあまりないので、ここではあまり虫歯が広がりません。
象牙質はタンパク質が多く細菌の大好きな柔らかな構造なので、エナメル質と象牙質の境目で、一旦大きく虫歯が広がります。
象牙質表面には無数の穴が見えますが、この穴はトンネルになっていて深部にある神経の部屋に向かう構造をしており、細菌はこのトンネルを通って深く侵攻していきます。
冷たいもの、熱いものに、過敏な状態では食事ができませんので、歯の神経はある意味鈍感になっているのが正常です。
そのため、痛みを感じた時には、神経に近い深部まで細菌が作用している目安になります。
虫歯のドアは小さくてなかなか見えません。
気付かない間に、内部で空洞になっていることもあります。
エナメル質では、三角形ではなく、逆三角形の形で虫歯が深部へ広がります。
象牙質の境目で一旦横に広がって(←ここが肝心な点です)、再び逆三角形の形で虫歯が深部へ降りていきます。
歯の表層は硬いエナメル質なので、虫歯の入り口は見つけにくいのです。
入り口が狭いと刺激も加わりにくく、症状の発現も遅れます。
下の層は象牙質という柔らかい歯質なので、気付かないうちにどんどん広がります。
定期的に検診をお勧めする理由はここにあります。